健康な土で作物を育てる
ひとつ自信を持ってお伝えできることは、ほのぼのハウス農場では一切農薬や化学肥料を使っていません。作物の健康を考えながら山の落ち葉やお米のぬか、飼っているいる鶏の糞などが原料の肥料を使い、土の中の状態を保つために草やお米の殻をすきこんだりもします。
土の状態がいいと、害虫や病気はある程度防ぐことができます。日本では戦後の食糧難の時代、少しでも多くの野菜を得るため農薬や化学肥料は爆発的に使われるようになりました。それまで手作業でしていた除草や、収穫量が天候で大きく左右されることなどを少しでも回避できるようになり農家は格段に楽になったといえます。そして少しでも効率よく収量を得るためにかぼちゃならかぼちゃだけ、卵なら鶏だけを生産する単一栽培が主流になりました。
農薬は”くすり”とはいいますが、草を殺し、虫を殺し、病気の菌を殺すものです。化学肥料を使うことは人間でいえば食べ物ではなく点滴で栄養を取っているようなものだと私たちは考えています。日本の農家がそれまで築き上げてきた、生き物と土と山との関係を断ち切ることになったとも言えます。
もちろん、農薬や化学肥料を使わない農業はとても大変です。最近ではマルチを使うようにもなりましたが、まだまだ除草は手作業が多く、特に夏場は草の成長も早いのでいかに効率よく草を取るか頭を悩ませます。腰を曲げての作業なので、特に田んぼは一面終わらせるだけで全身疲労で歩くことさえ痛みを感じるようになったりします。正直農薬を使えたらどんなに楽かと思ってしまう時も多々あります。
しかし、農薬や化学肥料を使わないことで有機肥料と土の中の微生物が働き、現代農業にはないお米や野菜の味が出ます。同じ調理法でも、スーパーで買ったものとは格段においしいのが試していただくとわかると思います。
また、その農薬や化学肥料が使われた農産物を私たちの体に入れることはとても怖いことだと思っています。まだ免疫が整っていない赤ちゃんや子どもならなおさらです。自分の子供たちに食べさせたいもの、それが私たちの農産物の大事な指標です。